ThinkPad 220の誕生
IBMが1992年に発売したThinkPad 220は、PS/55noteのスペックはそのままに サイズをうんと小さくしたようなノートパソコンでした。1.3kgという軽量なボディに、Intel i386SL-16MHzのCPUを搭載していたのです。このような特殊なパソコンを世に送り出すにあたっては 社内でも様々な議論があったようですが、最終的には開発側が押し切った形となりました。
結果は、商業的には今一つでしたが、市場に与えたインパクトは小さくなかったようです。このサイズのノートパソコンを、各社が競って発売していったからです。
さて、サブノートパソコンの代表といえる製品が、COMPAQのCONTURA AERO,東芝のDynaBook SS425/433などです。これらは、重さが1.7kg〜2kg程度で、CPUはi486を搭載していました。さらに、カラー液晶ディスプレイを搭載しているパソコンも中にはありました。こうしたわけで、市場に先鞭をつけたはずのIBM社も、これらに対抗した製品を出さなくてはならない状況となっていったのです。
第二世代サブノートPCの開発
ThinkPad 220の後継として発売されたのが、ThinkPad 230Csです。本体を大きくしないで液晶をカラーにするという難題をクリアして発売されました。CPUには、Intelのi486SX-33MHz(後期モデルはi486DX2-50MHz)を採用しました。
また、サウンド機能を搭載し、256色のカラーDSTN液晶ディスプレイを持つスペックも実現しています。さらに、1.7kgという軽さでした。とても好評で、発売後すぐに千葉の幕張メッセで開催されたWindows EXPOでは 説明員が昼食を食べる暇もなかったほど忙しかったと言われています。
そんな ThinkPad 230Csにも、サウンドがSoundBlaster互換ではないなどの弱点もありました。そこで、これら弱点を補い発売されたのが、ThinkPad 530CSです。MwaveというDSPチップを搭載し、これを利用してモデムとサウンド機能を実現しました。
さらに、モデムは当初 通信速度が14,400bpsでしたが、ソフトウェアのアップグレードだけで28,800bpsにも対応できるとう強みもあったのです。また、CPUも はじめはi486DX2-50MHzでしたが、IntelDX4-100MHzやAMDのAm5x86-P75を搭載したモデルが後に発売されています。